日本各地のお酢(鹿児島の黒酢)

黒酢とは米や米麹を用いた醸造酢を指します。国外では中国の山西省や江蘇省ものが有名で、香醋と呼ばれ、強い独特の香りがします。一般的な酢に比べ、アミノ酸の量も断然多く含有されています。

日本では鹿児島県霧島市の黒酢が有名です。

鹿児島黒酢の歴史

鹿児島の酢作りは霧島市福山地区で約200年前から始まりました。江戸時代、中国から鹿児島へ米から酢が出来ることが伝わったのが始まりだと言われています。

福山を訪れて驚くことのひとつが「壺畑」。畑に黒酢の入った壺が並べられ、見渡す限り壺の黒色で埋め尽くされています。

鹿児島では酢のことを「アマン」と言い、この壺は「アマン壺」と呼ばれているそうです。そして今でも機械化せず、昔ながらの伝統の製法が受け継がれています。大戦中、日本は米不足に陥り、福山の黒酢もその原料を失います。多くの会社が廃業し、伝統が途絶えてしまうかと思われたその時、坂元醸造株式会社会長の坂元昭夫氏が酢の効果を医学的に実証します。そして昭和50年、坂元氏が命名したことによって、今のように「黒酢」と呼ばれるようになりました。

鹿児島の水と米

鹿児島の黒酢が質の良いものが出来る理由として、美しい水と量質なお米の産地だということがあげられます。

鹿児島は火山の多いことで知られる土地です。その火山の噴出物によりシラス大地が形成されていて、鹿児島県の面積の52%を占めています。シラスは水を貯めておくことが出来ず、雨水は地面へ染み込んでいき、台地上では地深く井戸を掘らなければいけませんでした。しかし、土を通すことでたっぷりとミネラルを吸収して、美味しい地下水へと変わるのです。

また、黒酢の原料になる米もこのミネラルをしっかり含んだ水で育てられています。そして、寒暖の差が激しい地域で育てられている為、ひと粒ひと粒に甘味が凝縮されています。鹿児島の黒酢の原料はこの水と米、そして麹の3つだけ。質の良いものをシンプルに使っているので、出来上がったお酢も最高級のものに仕上がるのです。

鹿児島黒酢はここが違う!

鹿児島の黒酢が手間暇と良い材料で作られているのは分かりましたが、では実際、どのように普通のお酢と違うのでしょうか。

黒酢とはJAS法では24~48時間以上熟成されたもののことを言いますが、福山で作られた黒酢は半年~1年、メーカーによってはそれ以上の時間をかけて壺で熟成されています。酢もワインなどと同じく、熟成の度合いによって風味が変わってきます。福山の黒酢は味がまろやかで、深みがあります。

成分の面から見ても、通常のお酢と比べ、アミノ酸量が格段に違います。酢のアミノ酸量は熟成することによって増えます。福山の黒酢が丹精込めて作られたものであることが、科学的な視点からも明白であることが分かるかと思います。

コメントは受け付けていません。