日本各地のお酢(東京の赤酢)

お酢が出来上がった背景には各地の歴史や風土、文化が深く関わっています。東京のお酢といえば赤酢ですが、赤酢には江戸っ子の心・江戸前寿司と密接な関係があります。

今回は守り続けられる伝統、赤酢についてお話ししたいと思います。

江戸前寿司とは

今や万国で通じるのようになった「sushi」という言葉。元々は江戸前寿司が語源です。江戸前寿司はシャリが赤いのが特徴。まるでお醤油に浸したようにしっかり色がついています。築地から上がる新鮮なネタを美味しそうに彩ります。

江戸時代は当然、現代より極めて流通・保存の技術が未発達でした。この時期に食文化として形成された江戸のお寿司は、生魚を提供するものではなく、酢じめや醤油漬けなど、ひと手間加えてお客さんに提供していたそうです。今では生魚のネタも増えていますが、元々は握り以外の調理法にもたくさんの技術がある料理なのです。

ちなみに箸を使わず手で食べるという戴き方や「あがり」「おあいそ」などといったお寿司屋さん独特の用語(符丁)も江戸前寿司が元だそうです。「粋」を重んじる江戸っ子ならではの作法や心遣いですよね。

赤酢と江戸前寿司

江戸前寿司のシャリの赤色は酢による着色です。赤酢と言ったら江戸前寿司、江戸前寿司と言ったら赤酢というぐらい切っても切れない密接な関係があります。

黒酢など一般的なお酢は米や米麹から作られます。一方、赤酢は酒粕を原料としています。よく熟成させて製造するのも特徴のひとつです。

赤酢を作り出したのは今や日本を代表する有数の食品企業・ミツカングループの創業者中野又左衛門だと言われています。今でこそ調味料の会社のイメージが強いミツカンですが、元々は酒造業を生業にしていました。江戸の寿司ブームに気づいた中野又左衛門がお酒を作る過程で発生する大量の酒粕を元に作ったのが始まりです。これによって最初は米酢を使用していた江戸前寿司でしたが、赤酢を使用するよう変化していったようです。

もっと赤酢

赤酢には一般的な種類のお酢に負けないぐらい酢の代表栄養素であるアミノ酸とクエン酸が豊富に含まれています。そして江戸前寿司の職人さんの中には合わせ酢に砂糖を使用しないとこだわりを持った方がいらっしゃるぐらい旨みが強いお酢です。

もし、黒酢や他のお酢を飲んでみて、アレルギー反応が出たという方は赤酢を試されるといいかもしれません。食品のアレルギーの原因物質は原料に含まれるたんぱく質です。今までにアレルギーを起こしてしまったという方は酢の原料の米や米麹、果実が合わなかった可能性が考えられます。

赤酢の原料は前述したように酒粕です。もちろん、酒粕にもたんぱく質は含まれていますが、全く種類の違った食品なので上手く身体に合う可能性も考えられます。

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