サーカスとお酢

ブンブカと楽団のラッパが鳴り、派手な衣装の人々が楽しそうに踊って回る。そんなサーカスの興行を見たことがある人は、どのくらい居るでしょうか?

ナイフ投げ、綱渡り、玉乗りに猛獣の火の輪くぐり…サーカスの代表的な演目です。普通じゃできない大立ち回りの曲芸の数々に興奮を覚え、魅了された人も少なくはないでしょう。

彼らは各地を旅しながらサーカスを開き、自分達の芸を見せます。大人数で動くが故に結束が固く、サーカスをひとつの家族と捉えるサーカス団も多いと聞きます。

しかしそんな彼らに対して、間違った噂が流れることもよくありました。

ひとつ有名なものを挙げると「酢を飲むと体が柔らかくなる」という迷信です。これはサーカスに由来する誤解です。

彼らサーカスの人間は、団員の食料をまとめて買うのが普通です。

彼らは何人もの大所帯で動きます。

そんな彼らが旅暮らしで動くとなると、旅の途中に全員分の食事を取れる場所を見つけるのは一苦労でしょう。

だから彼らは、食べ物を買えるときに一気に買って旅をします。そうやってまとめて買う食料の中には、酢も入っています。

一気に買うので、もちろんその量も半端ではありません。

それ故にこんな噂が出たのです。「サーカスの人間があんなに体が柔らかいのは、もしかして酢を飲んでいるからではないだろうか?」と。

 更に、酢には肉を柔らかくする作用があります。

これは本当の話で、今でも各地で使われている方法です。

これが噂を裏打ちしてしまい、体を柔らかくするために酢を飲む人が各地で出てきたといいます。

サーカス団員はなぜお酢を飲むのか?

しかしこの噂はまるっきり嘘です。

確かにサーカス団員は酢を飲むことがよくあったようです。

しかしそれは体を柔らかくするためではなく、体に溜まる疲労を取り除くための行動でした。

 血の巡りが悪くなると、疲労の元になります。

しかし酢に含まれる酢酸には血行を良くする作用があり、結果として疲労回復に繋がるという訳です。

 サーカスは体が資本の職場です。

当然、疲労の蓄積は必然。だから酢を飲んで疲れを取るというのは、彼らの生活の知恵だったのでしょう。

蛇足ですが「酢を飲む」という言葉に抵抗を感じることもあるでしょう。

ただその酢が、今日本で使われている醸造酢であるとは限りません。

最近ではデザートに酢をかけるという話もよく聞きますが、あれはぶどう酒から作る甘みのある酢の一種だからデザートにも合います。

また「飲む酢」という商品も目に付きます。

これは飲みやすいように調整された酢の飲料です。

当時のサーカスで疲労回復に使われていた酢が飲みやすい酢だったとは思いませんが、それでも日本の酢よりはまだ飲みやすい酢を飲んでいたサーカスもあったかもしれません。

この通り、酢で体は柔らかくはなりません。

また、未だ出回っている酢の偏見も色々とあるようです。

しかし、酢は体にとって良い働きをすることも多いのです。

もしかしたら、あなたの抱える問題が酢によって解決される…かもしれません。

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