どうして酢はこんなにすっぱいの?

酢の一番の特徴といえば、すっぱいことです。酢のことを考えるだけで、口の中でたくさん唾液が出ちゃう、なんていう人も多いはず。
癖は強いですが、逆にそれが酢の魅力ではないでしょうか。味が引き締まるので、中華料理には少しだけお酢をかけて食べるという人も珍しくないですよね。

お酢には、アミノ酸やグルコン酸など、有機酸と呼ばれるものがたくさん入っています。その中でも、もっとも多いのは酢酸であり、大きな役割を果たしています。

酢酸は体の中に入ると、主にクエン酸へと変化します。このクエン酸が血行の流れをよくしてくれるおかげで、体の働きが活発になり、私たちの健康に役立ってくれるのです。

食事をすると、体内に入った糖分は分解され、ブドウ糖になります。そのブドウ糖が燃焼されると、エネルギーに変わります。そのとき、炭酸ガスと水とピルビン酸が出て、炭酸ガスは排出されます。体の中に残ったピルビン酸は、さらに循環を行います。

この生きるためにかかせない循環のことを「クレイブス・サイクル」と呼びます。この循環がきちんとできていないと、生き物は生きていくことができません。それほど大切なことなのです。

なんとお酢の酢酸は、このクレイブス・サイクルを助ける力を持っています。

また、酢酸が体内で変化したクエン酸は、エネルギーの代謝を活発にして、体脂肪が効率よく燃焼されるように促します。体がエネルギーを出すときにできた乳酸を分解し、再び新たなエネルギーを作る手助けもしてくれるのです。

乳酸は筋肉や血中に大量に溜まると、体が酸化してしまい、疲労の原因になります。お酢を取ると乳酸をすばやく分解してくれるため、疲労を軽減につながります。

すっぱいのには理由があった

お酢がすっぱい理由は単純です。端的に言うと、主成分である酢酸が酸っぱいから。

人間は舌に味蕾(みらい)という器官を持っています。物を食べたとき、この器官が反応することで、人はすっぱさを感じているのです。

この味蕾は、人間の舌や、軟口蓋と呼ばれる口上部の奥あたりに多く分布しています。人間はここで酸味、苦味、うま味、塩味、という五つの味覚を感じわけているのです。

あまり知られていないマイナーな器官ですが、人間にとってはとても大切な場所です。
もし味蕾がなければ、人間は味を感知することができません。
秋刀魚もピザも梅干も全部同じ味にしか感じられないどころか、何も味を感じることができなくなってしまうのです。
これから一生、食べる楽しみがなくなるだなんて、想像するのも恐ろしいですよね。

そんな味蕾ですが、もともとは生きていく上で、とても重要な器官でした。

なぜでしょうか?

答えは、酸味を感じるということから考えていけばわかります。

人間が酸っぱいと感じるのは、腐敗した食べ物や、有毒なものを発見し避けるための生理的な反応なのです。

もし口に入れたものが変に酸味を帯びていたら、考えるよりも先に急いで吐き出しませんか?それは、もともと私たちに身についている防衛のための本能なのです。

すっぱいものを食べたときに唾液がたくさん出るのも、これと同じことです。大量の唾液により、口の中を中和させ、有害なものを少しでも薄めようという、大切な反応なのです。

大人になっても、すっぱいものが苦手な人はいませんか?
そういう人は、好き嫌いではなく、もしかしたら人よりも防衛本能が強いせいなのかもしれません。

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