お酢の日本史

酢の歴史は古く“最古の調味料”と言われるほどです。

紀元前五千年のバビロニア

酢が人類史に初めて登場したのは紀元前五千年のバビロニアであると言われています。

当時の記録には酢を作る人々が残されています。当時の人々はナツメヤシや葡萄酒といった果実酒、またビールなどからも酢を作っていたと言われています。

当時の人々の感情や酢を作った思いなどは想像に任せるしかありませんが、当時のバビロニアの人々も酢を作り食べ物を美味しくしたい、食べ物を保存したいという思いがあったのではないのでしょうか。

またバビロニアだけでなく、少し時代は進んで紀元前三千年。
エジプトでもビールの副産物として酢が醸造されており、商業生産により酢を楽しんだと言われています。

紀元前四百年頃

次に紀元前四百年頃。
医学の基礎を作り、哲学でも大きな功績を遺した「西洋医学の父」とも呼ばれているヒポクラテスが酢の効能について注目します。

酢には高い殺菌効果や健康促進効果があります。

ヒポクラテスはそういった酢の効能に注目し自分の下を訪れる病人や病み上がりの病人に対して、積極的に摂ることを勧めていたそうです。

また古代中国、周の時代においては酢は漢方の一つとしても数えられておりその高い健康効果が注目されていました。

古代においても人々は酢の持つパワーをおそらく本能で理解していたのでしょう。

 様々な国の記録などで、民間療法として病気の予防策などで「酢を摂る」という行為が出てきます。

大航海時代

そして大航海時代。
海に繰り出す男達はその頃野菜不足等による栄養不足に起因する壊血病に悩まされていました。
そんな人たちの悩みを解決したのが酢でした。

酢の持つ高い殺菌能力に注目し様々なスパイスや野菜を塩漬けしたり、酢漬けにしたりして保存食として酢を用いていました。

酢を使用した保存方法が確立したため食物の長期保存が可能になり、壊血病はぐんと減ったと言われています。

酢は人々の健康を守るのに一躍買っていたのです。

世界の人々を救ってきた酢ですが、我が国日本はどうでしょうか?

日本に最初に酢が伝わったのは四~五世紀頃だと言われています。その頃に中国から酒造りの技術と共に米酢の醸造技術が伝えられたといいます。

その後、酢は和泉の国(現在の大阪府南部)で造られるようになりました。

 

奈良時代

奈良時代には酢が盛んに造られるようになり、朝廷は酢を税として納めるように指示したりもしました。『万葉集』にも酢に関する歌が詠まれたりもしています。

しかしこの頃酢は貴族専用の調味料・漢方といった位置づけであり庶民が到底味わえるような物ではありませんでした。

 

江戸時代

さらに、江戸時代。

お酢の製法は広く伝わり醸造されるようになりました。

庶民の間にも広まっていくようになりました。醤油、味噌等と並んで人気の調味料であったようです。

そして日本のソウルフード寿司が生まれたのもこの時期です。

元々寿司の原型である、なれずしや押しずしはあったのですが、それがご飯に酢を混ぜ今の様な形になったのは江戸と言われています。

ちなみに江戸時代の寿司は今でいうファストフードのようなもので、相当大きかったらしいです。羨ましいですね。

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